盗聴器によく利用される周波数について
盗聴器の周波数とは?盗聴に利用される周波数をチェック
盗聴器について調べてみると「周波数」 という言葉がよく出てきますが、周波数について詳しく理解できているという人は少ないのではないでしょうか?そこで今回は、盗聴器に使われる周波数について分かりやすく説明したいと思います。
周波数とは?
私たちの暮らしの中には、テレビや電話など使われている様々な電波が飛び交っています。電波は、空間を伝播するときに波打ちながら進んでいくのですが、
周波数とは、1秒間のうちにこの波が何回繰り返されているのかを表しています。
周波数は、「Hz(ヘルツ)」という単位で数えられ、
100Hzは1秒間に100回の波ができていることを意味します。
周波数が高くなるほど、波長の短い電波になり、光の性質に近づいていきます。
周波数が高く波長の短い電波は直進性が強くなり、周波数の低く波長の長い電波は障害物があると回り込んで進んでいきます。
盗聴器に使われる周波数について
生活の中で使われている様々な電波は、それぞれ総務省によって周波数が割り当てられています。しかし、盗聴器は総務省の定めた割当を無視しているので、厳密に言うと盗聴器には決まった周波数がありません。
様々な周波数を用いた盗聴器が存在しますが、実際に使用されている盗聴器の多くは量産されたものなので、特定の帯域の周波数が使われていることが多いです。
盗聴器に使われることが多い周波数の帯域は、大きく次の3つに分かれます。
FM帯盗聴波
FMラジオと同じ周波数の帯域(26〜88MHz)を用いた盗聴器です。※1MHz(メガヘルツ)=100万Hz
盗聴器に使用される周波数の中では、低い周波数が使われています。
出力の弱い盗聴器だと、出力が強いラジオの電波にかき消されてしまうため、
最近ではFM帯盗聴波の盗聴器が使われることが少ないようです。
VHF帯盗聴波
VHFとはVery High Frequencyの略で、超短波と呼ばれる周波数の帯域(30〜300MHz)です。
VHF帯の電波は、直進性もありながら、ある程度の障害物は回り込んで伝わることができるので、通信用途として幅広く使われています。
FMラジオに使われる帯域も、大きな意味で言えばVHF帯に含まれます。
VHF帯盗聴波は、VHF帯の中でも比較的高めの105〜154MHzの周波数が使われています。
VHF帯はチャンネル数があまり多くないので電波が混信しやすく、盗聴器を設置することで、他の電子機器に影響を与えてしまうことがあります。
UHF帯盗聴波
UHFとはUltra High Frequencyの略で、極超短波とも呼ばれる周波数の帯域(300MHz〜3GHz)の電波です。
VHF帯よりもさらに周波数の高い電波で、直進性に優れ、伝送できる情報量も多いことが特徴です。
そのため、携帯電話や地上デジタル放送、電子レンジなど身近なところでも幅広く使われています。
山間部などでは障害物を回り込んで伝えることができるVHF帯の方が優れていますが、建物内での通信では、直進性に優れたUHF帯の方が優れています。
以前は、VHF帯盗聴波の盗聴器が主流でしたが、最近ではUHF帯盗聴波が主流になってきています。
盗聴器に使われる「Ach」「Bch」「Cch」とは?
様々な周波数が使われる盗聴器ですが、その中でも特に使われることが多い周波数があります。このような周波数を俗に「Ach」「Bch」「Cch」と呼ばれています。
「Ach」「Bch」「Cch」はVHF帯盗聴波とUHF帯盗聴波のそれぞれにあり、
合計で6つの周波数を「盗聴6波」と呼ぶことがあります。
具体的には、次の周波数です。
VHF帯盗聴波
- 「Ach」139.970MHz
- 「Bch」140.000MHz
- 「Cch」139.940MHz
UHF帯盗聴波
- 「Ach」398.605MHz
- 「Bch」399.455MHz
- 「Cch」399.030MHz
盗聴器発見器を購入するときの注意点
自分で盗聴器を発見しようと思った場合、闇雲に探しても見つけることは難しいので、盗聴器発見器を購入する必要があります。盗聴器発見器は種類が豊富で、値段もピンキリです。
盗聴器発見器には、電波そのものを感知するタイプと、
特定の周波数を傍受するタイプに分かれます。
電波を感知するタイプは、安価なものが多いですが、盗聴器以外の電波にも反応してしまうので、盗聴器の特定が難しいことが多いです。
一方で、特定の周波数を傍受するタイプは、高価なものが多いですが、盗聴器に使われやすい周波数をあらかじめ記録しておくことで、盗聴器の特定をしやすくなります。
ただし、周波数を傍受するタイプでも、商品によって対応している周波数が異なるので、より確実に盗聴器を見つけたいのであれば、対応している周波数が多い機種を選ぶ必要があります。
最近では、VHF帯盗聴波よりもUHF帯盗聴波の盗聴器が使われることが多いので、
最低でもUHF帯盗聴波の「Ach」「Bch」「Cch」に対応している発見器を選ぶと良いでしょう。
最後
盗聴器を個人で発見するのは、非常に難しい作業です。市販されている盗聴器発見器では、確実に盗聴器を見つけることができるわけではないので、どうしても不安だという人は、専門の業者に一度相談してみると良いかもしれません。
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